金魚警報(再)

140字を水で薄めるところ

漫画雑誌定期購読アプリについての雑感

一年ほど前にNexus7を買って以来、通勤時の読書がめちゃくちゃ捗ってます。いろんな事情で片道2時間というアホな環境に身を置いている自分にとって、満員電車でも片手で読める端末の存在は大きな救いです。

で、一番助かっているのが漫画雑誌の消化。各社電子書籍ストアで売られているだけでもありがたいのですが、特に出版社謹製アプリで定期購読できる仕組みを持つ雑誌は大変素晴らしく、積極的に利用しています。サービス内容も価格も各社ばらばらなので整理しつつ、使用していて感じたことを今更ながら書き留めておこうと思い立った次第です。「Dモーニング」「ジャンプ+」「マガジンポケット」「まんがライフGIGA」の4つを使っています。

 

・Dモーニング

雑誌定期購読アプリの草分けにして大正義Dモーニング先輩。なんといっても月額500円という圧倒的強み昨年夏には2ヶ月無料キャンペーンなんかもやっていたりと、とにかく読者獲得に攻めの姿勢が伺えます。気難しい両巨匠の意向なのか「BILLY BAT」「バガボンド」が電子版には未掲載という大きな欠点はありますが、その点さえ折り合えれば問題ないです。モーニングの購読にのみ特化しているため、バックナンバーとアンケートと設定以外のページが存在しません。TOPページが無いって珍しい気がしますね。ほか、読了後すぐにアンケートページに飛べる点、長押しで次の作品へ行くことができる点など細部まで行き届いています。

強いて欠点というか揚げ足を取るのであれば、通常のデータのダウンロードのあとの高画質データのDLにかかる時間が表示されないのでいつ終わるのかがわかりにくい。数十分経っても終わってない時、ページをスワイプするとDL中の表示が消えるということに最近気付きました。終わったなら教えてくれよっていう、まぁ知ってしまえば今更わざわざ直してくれと言うほどのことでもないのですが。

作中のコマを切り取ってシェアできる機能や、ページごとに「いいね」を推すことのできる機能もあったりと、かゆいところに手が届いています。後者は毎週最多の「いいね」を獲得したページが発表され、何の作品のどのシーンが最も読者に受けたのかがわかるのがとても面白いと思いました。

 

・ジャンプ+

ジャンプってコンビニにずらっと並ぶあの光景そのものが宣伝として成り立っている感じがあったし、なんとなく少年誌の電子化はまだまだ先になりそうな気がしていました。なもんで早々にジャンプ+が登場したのには驚きましたね。

月額900円と紙より少しお安い金額。当初なかった記事ページや巻末コメントもいつの間にか追加され今ではほぼほぼ紙と同じ収録内容。定期購読特典としてジャンプネクストが無料で読めるという太っ腹もさすが天下の少年ジャンプといったところです。紙とは別に独自のアンケートを設けており、Dモーニング同様読了後アンケートページに飛ぶことができます。余談ですが「アンケートを出してないから好きな作品が打ち切られても文句を言わない」をマイルールとして設けていた自分もこれで堂々と物申すことができるようになりました。いや最近は終わるべきものが順当に終わるべくして終わっていってる印象ですが…。

電子版独自のコンテンツとして、その号の『食戟のソーマ』のオールカラー版が巻末に掲載されています。色塗り外注のカラーページになんの価値があるのか個人的にさっぱり…ってのはさておいて、これの欠点というか、よくアンケートに書いているのが「掲載位置を巻末コメントの後ろにして欲しい」です。現状『磯部磯兵衛』→『ソーマ』(カラー)→次号予告・巻末コメントの順に毎回載っているわけですが、表紙からきちんと順番に雑誌を読み進めていく身としては、『磯兵衛』まで読み終えたあと目次ページを開いて次号予告に飛ぶ、という手順が地味に煩わしくて。あくまで電子版の独自コンテンツなのだから雑誌の一番最後にくっつけるべきなのではと思います。が、毎回怨念のようにアンケートに書いても一向に変わる気配はないので、自分以外に気にしている人はいないのかと少し寂しくもなります・長押しで次の作品へ飛ぶ機能があればそれでもいいのですけど。

ところで以前、定期購読中なのに課金されてしまうバグが起こったことがあって、フォームから問い合わせたところとても迅速丁寧な対応をしてくださったことが記憶に残っています。サービス開始直後の様々なバグ対応や読者の声へのフィードバックの速さ(巻末コメントが収録されるようになったのもこれだったはず)なども合わせて、中の人達の対応の端々に隙の無さが伺え、素晴らしいサービスは素晴らしい人たちに支えられているという当たり前の事実を改めて実感した次第でした。

 

・マガジンポケット

一ヶ月前の号が無料で読めるという、「漫画はスマホで無料で読むもの」という価値観を持つティーンエイジャー(偏見)の心もがっちり掴む太っ腹なこのアプリ。その課金機能として定期購読が存在する、というような感じです。月額840円とこちらもまたお安い価格。

雑誌単位ではなく作品ごとに追うことができる点が最大の強みだと思います。毎日のように雑誌を読んでいるとどうしても目が滑る作品というのはありまして、今どういう展開なんだっけ?と疑問に感じた時なんかもすぐにひとつ前のエピソードを参照することができるというわけです。

『はじめの一歩』と記事ページが未収録。作品以外のページがなく、また作品を個別に選択して読む形式なので雑誌を読んでいる実感に恐ろしく乏しいです。漫画だけ追えればそれでいいやな人向けに特化している印象で、それでは物足りないと感じてしまう自分のような人間に対しては、きちんと電書ストアで購入して読むという選択肢が与えられているわけで、上手く住み分け誘導がなされているなと感心します。

自分は今このアプリで購読はしていないのですが、その最大の理由はオフラインで読めないから、というものです。いつも自宅でダウンロードしたものを移動中に読んでいるので、個人的には好き嫌い以前の問題でした。

ちなみに作品によってアオリ文が掲載されていたりいなかったりがバラバラで、どちらかというと付いていない作品のほうが多い印象だったのですが、『神様の言うとおり弐』にはきっちり付いていたのがとても空気を読んでいて素晴らしいなと思いました(棒読み)。

 

まんがライフGIGA

周りで使っている人を見たことがない、どころかネットの海に潜ってみてもアプリのレビューをほとんど見かけないので、誰も書いてないならじゃあ自分が書いておくか…というのがこの記事の出発点でした(過去形)がまぁそれは置いておいて。

まんがライフ」「まんがライフオリジナル」「まんがライフMOMO」「まんがくらぶ」の4誌が月額500円で読めるという、Dモーニングの背中を追う素敵な定期購読サービスです。ただし記事ページの多くは未収録。こちらもまた通常のデータと高画質データを分けてDLする形式なのですが、今回触れた4つの中では一番画質が良いですね。1ページあたりの描き込み量が少ない4コマ誌だからこそ比較的小さい容量で高画質が実現できるのかもしれません。コマをシェアする機能も搭載しているのですが、LINEスタンプ間隔で引用する人にとっては持って来いな機能なので、これもまた4コマにこそ向いている機能だと思います。このアプリ、色んな面でDモーニングの形式を踏襲しているんですね。いいものはどんどん真似されていけば良いと思います。

また、昨年にページがリニューアルしてからは雑誌ごとにデータの削除ができるようになりました。容量の小さい端末でやりくりしないといけない自分にとってはとてもありがたいです。

このようにかなり優秀なアプリでありながら、実はブックリーダーとして基本中の基本機能が抜け落ちていたりします。しおりです。栞。読み終えた位置にしおりを挟めないんですね。アプリを閉じた時に位置を記憶してくれることもありません。なので前回読み終えた続きから再開、ということができないのです。さすがにこれは早々に改善されるだろうと思っていたのですが、運用開始から一年以上が経った今も変化はありません。もしかして運営サイドは4コマの途中で読書を中断するような読まれ方を想定していないのか…。めちゃくちゃ困っているわけでもないのですが、しおりも位置記憶機能もないと知った時の驚きは大きかったです。

そしてもう一つ声を大にして言っておかねばならないのは、Android専用でありiOS版は未だリリースされていないということです。ユーザーが見込めないのか、竹書房に体力がないのか、いずれにせよ4コマ誌の先陣を切って電子の海へ飛び出したのだからうまく泳ぎ切って欲しいと願わずに入られません。追加課金で「まんがライフSTORIA」も読めるようにしてほしいな、というのも加えて小声で言っておきたいです。

あと作品名とともに謎の数字を吐き出し続けている公式ツイッターという名のbotはもう少し頑張ってほしいなと。良くも悪くも売る気が感じられないのがこのまんがライフGIGAというアプリですな。

 

もっとわかりやすく比較でもしたほうが良かったのかもしれませんが、あくまで雑感ということで。雑誌って読み捨てることが多いので、保存性の観点からもどんどん電子化されていけば良いと思います。大手だと小学館がどうにも消極的なのが気になりますね。満員電車で『競女!!!!!!!!』を読みたいので早くサンデーを電子化してください。

競女!!!!!!!! 10 (少年サンデーコミックス)

競女!!!!!!!! 10 (少年サンデーコミックス)

 

 アニメ化おめでとうございます(強引なオチ)