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金魚警報(再)

140字を水で薄めるところ

『恋愛ラボ』4誌に及ぶ掲載誌の変遷を追う

痒いところに手を届かせたい『恋愛ラボ』記事三部作のラストです。

今でこそ「まんがタイムスペシャル」の顔として定着した感のある『恋愛ラボ』ですが、連載開始から現在に至るまで、やや複雑な掲載誌の変遷を辿ってきました。

・「まんがホーム」2006年11月号掲載、同12月号~2010年9月号連載

・「コミックエール!」Vol.1(2007年6月号)掲載、Vol.6(2008年6月号)~Vol.12(2009年6月号)連載

・「まんがタイムオリジナル」2008年4月号、2009年1月号掲載

・「まんがタイム」2008年7月号、2009年2月号掲載、2013年1月号~同11月号連載

・「まんがタイムスペシャル」2008年4月号掲載、2009年2月号、2009年10月号~2010年1月号連載、同4月号,6月号,8月号隔月連載、同10月号~連載中

・「まんがタイムコレクション」2011年9月号、2012年10月号掲載

タイム系列の作品全般に言えることでもありますが、とにかく系列誌への移籍や出張掲載などが非常に多いです。『恋愛ラボ』の連載は4誌にもわたり、ゲスト掲載も含めると6誌にまたがっています。連載開始から現在までのタイム系列誌が8誌*1なのでほとんどの雑誌に掲載歴があることがわかります。(「エール」は「まんがタイムきららキャラット」増刊なので厳密にはきらら系列ですが)

まんがホーム 2006年 12月号 [雑誌]

まんがホーム 2006年 12月号 [雑誌]

まんがホーム」2006年11月号でのゲスト掲載を経て、同12月号より連載開始。11月号表紙に小さく「特別ゲスト 宮原るり」と確認できます。「タイム」で『みそララ』連載中の宮原先生によるゲスト掲載という体ですが、これが実質の『恋愛ラボ』第一話であり、連載が始まる翌月号はこのエピソードの続きから始まります。12月号表紙のカットが初表紙。ここからおよそ4年間、系列誌数誌にまたがる『恋愛ラボ』の文字通りのホームとして連載されることとなります。

コミック エール ! 2009年 02月号 [雑誌]

コミック エール ! 2009年 02月号 [雑誌]

連載開始から半年後、「コミックエール!」創刊号に出張掲載。「男の子向け少女マンガ誌」というコンセプトで創刊した「コミックエール!」、Vol.1での掲載を経て一年後のVol.7より連載となりました。残念ながら2年で休刊となってしまいましたが、上述したように「まんがタイムきららキャラット」の増刊という位置づけの雑誌だったので、もし連載が長期間続いていれば『恋愛ラボ』単行本がきららレーベルから刊行される可能性ももしかしたらあったのかもしれません。表紙にカットが載ったのはこのVol.10のみ。

まんがタイムスペシャル 2008年 04月号 [雑誌]

まんがタイムスペシャル 2008年 04月号 [雑誌]

連載開始から一年半、2008年は系列誌への進出が目立つ年となりました。1巻発売記念ということで、この年の4月はなんと「ホーム」に加え、「オリジナル」「スペシャル」でもゲスト掲載という大攻勢でした。…ということですいません、前回の記事で「タイスペ初掲載が2009年10月号」と書いてしまいましたが、この号が初掲載でした。ちなみに「タイム」の『みそララ』も通常通り掲載されており、また「ホーム」目次4コマ「おはなしあやちゃん。」も載っていて…宮原先生の仕事量たるや、この月が過去最高ではないでしょうか。また翌年1,2月にも2巻発売に合わせて同様のゲスト掲載が行われており、2巻,3巻は奥付がすごいことになっています。

2009年10月号より「タイスペ」での並行連載スタート。とはいえ本格的に「タイスペ」での連載が始まる翌年10月までの一年間は「ホーム」が中心でした。2010年1月号では4巻&ドラマCD発売記念ということで『らいか・デイズ』とのコラボ表紙が実現します。(画像が見つからなかったのですが、宮原先生のブログにラボ側のイラストが載っているので要参照)移籍後は「ホーム」2010年10,11月号において特別編が掲載され、これが「ホーム」での今のところ最後の掲載となりました。

掲載期間で言えば今や「タイスペ」の方が長くなりましたが、「ホーム」で連載されていた3年9ヶ月という期間は、後追いの自分にとってまだまだ未開の地であり、通り一遍の情報しか把握していないので、当時の雑誌を目にする機会があればもう少し深く潜ってみようと思いました。最終的には奥付からは判断できない各エピソードと掲載誌/号を紐付けられたらなと。

まんがタイム 2013年 08月号 [雑誌]

まんがタイム 2013年 08月号 [雑誌]

2013年1月号より、4年ぶりの「タイム」で連載開始。『恋愛ラボ』アニメ化に伴い、「タイム」において4コマ形式ではない特別編の連載が始まりました。(代わりに『みそララ』が現在まで続く休載期間へと突入しましたが、当時既に『僕らはみんな河合荘』が連載中なので、仕事量としては相変わらずの月刊連載×3という恐ろしい量)この特別編は9巻を中心にまとめられています。特筆事項としては5月号のみ4コマ形式である点(8巻収録の修学旅行回)、そして9月号のマキ姉回は今のところ単行本未収録であるという点。単行本では本筋の進行に合わせて合間に特別編を挿入するという形式をとっているため、10,11月号掲載分が先に10巻に収録されたものと見られます。おそらく次巻に収められるのではないでしょうか。「タイム」ではこの『おとぼけ課長』とのコラボ表紙が恒例ですが、特に上に挙げた8月号などは一部界隈で援交とまで言われるほどに好評(?)だったので、「やるよ………………」とともに後世に語り継ぎたいものです。

最後に前回同様一覧表にて掲載誌の変遷をまとめます。縦にだーっと勢い良くスクロールしましょう。















備考
2006年11月号 「ホーム」ゲスト掲載
2006年12月号 「ホーム」連載開始
2007年1月号
~5月号
2007年6月号 「エール」掲載
2007年7月号
~2008年3月号
2008年4月号 1巻発売
2008年5月号
2008年6月号 「エール」連載開始
2008年7月号 「タイム」『みそララ』との2本立て
2008年8月号
2008年9月号
2008年10月号
2008年11月号
2008年12月号
2009年1月号 2巻発売
2009年2月号
2009年3月号
2009年4月号
2009年5月号
2009年6月号
2009年7月号
2009年8月号
2009年9月号
2009年10月号 スペシャル」連載開始
2009年11月号
2009年12月号
2010年1月号 4巻,ドラマCD発売/「ホーム」『らいか・デイズ』とのコラボ表紙
2010年2月号
2010年3月号
2010年4月号
2010年5月号
2010年6月号
2010年7月号
2010年8月号
2010年9月号
2010年10月号 スペシャル」へ移籍/「ホーム」特別編掲載
2010年11月号 「ホーム」特別編掲載
2010年12月号
~2011年8月号
2011年9月号 宮原るりコレクション」発売
2011年10月号
~2012年9月号
2012年10月号 宮原るりコレクション」第2弾発売
2012年11月号
2012年12月号
2013年1月号 アニメ化決定/「タイム」特別編短期連載開始
2013年2月号
2013年3月号
2013年4月号
2013年5月号 「タイム」4コマ形式
2013年6月号
2013年7月号
2013年8月号
2013年9月号
2013年10月号
2013年11月号
2013年12月号~2015年1月号


並行連載の時期は大きく分けて①「ホーム」と「エール」②「ホーム」と「タイスペ」③「タイスペ」と「タイム」の3回訪れていることがわかります。そこにプラスアルファとして、単行本発売などの節目には系列誌への出張掲載が行われているというかたちです。①で研究編/実践編と内容が区別され連載されていたものが「エール」休刊に伴い実践編が「タイスペ」へと引き継がれ、②の時期が「タイスペ」への一本化を図るための移行期間となり、移行後の③はアニメに合わせて本編を補填する特別編との併載が行われるという、それぞれに異なる背景が存在しています。研究編/実践編の一本化については、上でも触れた宮原先生のブログにおいて言及されています。

恋愛ラボは、ホームとスペシャル(もともとはコミックエールですな)でちょっと内容的に相違がある特殊な形態だったんですが、話が進んでいくにつれ、同じ情報を共有していない状態で各読者が違和感なくまず読めること、さらにそれぞれに山場をつくりながらも単行本にまとめたときに齟齬や流れの濁りがないように気をつけながらネームをきる…というのがかなり難しくなっていて。これから先もっと厳しくなることがわかったので、1本にしたいと以前からお願いしていまして…。 へっぽこですが。 恋愛ラボの今後について

恋愛ラボ』の掲載誌の変遷は、一つの作品から異なるシチュエーションを切り出そうとする特殊な制約が課された並行連載に端を発しているわけですが、登場人物の二面性を描き出すという点では後の特別編に受け継がれているように思います。単行本を通読すると『恋愛ラボ』は宮原先生の他作品と比べても特に出来事や心情が丁寧に描写されている印象を受けるのですが、それは本筋の進行に合わせて別の切り口で語ることのできるもう一つの連載の存在があったからこそなのだと強く感じました。もちろんそれだけの情報を整理し描き出す難しさがあり、単純に倍の仕事量としてのしかかってくるわけでもあり、その苦労たるや想像に容易いです。今回はあまり触れませんでしたが、ここまで見てきた『恋愛ラボ』連載期間には『となりのネネコさん』『みそララ』『河合荘』も同じく連載作品として存在しているので、やはり宮原先生の仕事量恐るべしといった結論に落ち着くのでした。そんなわけでいつか他作品も含めた宮原先生の全お仕事チャートを完成させようという決意を新たにする次第でございます。まさかの4部作だった…。